健康経営

日本金属株式会社は、日本金属グループ健康経営宣言に基づき、社員一人ひとりの心身の健康づくりに取り組み、「健康経営」を推進しています。

昨年度、当社の「健康経営」への取組みは、「健康優良企業 銀の認定」及び「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に認定されました。

日本金属グループ健康経営宣言

日本金属株式会社は、「日本金属グループは、圧延事業とその加工品事業を中核に新しい価値の創造を推進し、広く社会に貢献します。」の企業理念のもと、「社員の個性を尊重し、自由闊達な風土のもと、活力ある会社を目指します」を経営方針の1つに掲げております。 日本金属グループは、当社の企業理念及び経営方針に基づき、社員一人ひとりの心身の健康づくりに積極的に取組み、社員がいきいきと働くことができる「活力ある会社」を目指して、「健康経営」を推進することを宣言します。

当社の「健康経営」を推進する目的及び体制は以下の通りであります。

健康経営を推進する目的

当社は、経営方針及び第11次経営計画“NIPPON KINZOKU 2030”(2020年3月25日開示済)に掲げる重要な方針である「活力ある会社・活力ある職場づくり」に基づき、社員一人ひとりの心身の健康状態を維持・向上させることが、個人並びに組織のパフォーマンスを最大化するために重要であると考えています。

これらの考えのもと、社員の良好な健康状態を基盤とした「いきいきと働くことができる」会社・職場づくりをすることが、企業の目標達成ひいては成長の実現に資する取組みであると確信していることから、当社の目指す姿を実現するために健康経営を推進しております。

健康経営戦略マップ

当社では、経営課題の解決につながる健康課題と期待する効果、それらに対応する具体的な取組みをまとめた健康経営戦略マップを作成し、健康経営を推進しております。

日本金属株式会社 健康経営戦略マップ(PDF)

健康経営を推進する体制

当社は、健康経営を推進するため、当社代表取締役が任命した「※CHO(最高健康責任者)」を委員長として、2019年度より「健康経営推進委員会」を設置しております。 (※2023年9月現在、CHOは当社常務取締役の長谷川伸一が務めております。)

健康経営推進委員会においては、CHOを中心に各事業所健康責任者(工場長等)を委員として、全社的な健康増進施策の検討及び推進を行っております。また、日本金属健康保険組合との連携することで、日本金属グループ各社への啓蒙活動及び情報共有や個別施策支援に取組み、グループ全体での健康経営を企画、推進しております。

当委員会にて決定した「健康経営推進計画」などの健康経営の推進状況等は、取締役会・常務会などに適宜報告を行うことでモニタリングを実施し、意見・提言等につきましては各施策に反映させております。

健康経営におけるKPI

当社では、健康経営の推進によって、社員がいきいきと働くことができる「活力ある会社」を目指して、健康経営全体のKPIを日本金属健康保険組合から毎年共有される「健康スコアリングレポート」などを基に、健康経営推進委員会において、各項目で以下の通り目標値を設定しております。

(1)生活習慣病予防対策・喫煙対策

項目/年度 2019年度
実施結果
2020年度
実施結果
2021年度
実施結果
2030年度
目標数値
【参考】
2021年度
実施結果
(全組合平均)
① 特定健診実施率 97.5% 97.2% 97.8% 100.0% 92.6%
② 肥満 49.6% 51.2% 50.6% 40.0% 43.3%
③ 高血圧 32.1% 35.5% 36.7% 25.0% 36.5%
④ 肝機能 37.5% 39.2% 39.6% 30.0% 35.9%
⑤ 脂質 26.2% 27.6% 24.7% 20.0% 22.1%
⑥ 血糖値 49.6% 56.0% 57.4% 40.0% 34.3%
⑦ 喫煙率 37.9% 37.9% 38.5% 30.0% 26.7%

※上記データのうち②~⑦の対象者は、日本金属健康保険組合の被保険者であって、特定健診を受診した者のうち、以下の基準に該当した者です。

  • 肥満:BMI25以上、または腹囲85cm以上(男性)、90cm以上(女性)
  • 高血圧:収縮期130mmhg以上、または拡張期85mmhg以上
  • 肝機能:AST31以上、またはALT31以上、またはγ-GT51以上
  • 脂質:中性脂肪150mg/dl以上、またはHDLコレステロール40mg/dl未満
  • 血糖値:空腹時血糖値100mg/dl以上、またはHbA1c5.6%以上
  • 喫煙率:喫煙習慣への調査に対して、たばこを習慣的に吸っていると回答した者

(2)メンタルヘルス対策

項目/年度 2020年度
実施結果
2021年度
実施結果
2022年度
実施結果
2023年度
実施結果
2030年度
目標数値
⑧ ストレスチェック受検率 94.0% 95.7% 97.7% 96.0% 97.5%
⑨ 総合健康リスク 98 100 98 94 100未満

※上記データのうち⑧・⑨の対象者は、日本金属株式会社の全従業員です。

(3)プレゼンティーイズムの改善

項目/年度 2020年度
実施結果
2021年度
実施結果
2022年度
実施結果
2023年度
実施結果
2030年度
目標数値
⑩ パフォーマンス総合評価
(WLQ-Jスコア)
93.5% 93.4% 93.5% 93.7% 95.0%

※WLQ-J(Work Limitations Questionnaire)は、健康問題による業務生産性低下率を測定する指標(100%が最も生産性が高い状態)であり、本項目は、健康経営の実質化に向けた取組みの一環として、2020年度より導入しております。
※本項目の対象者は日本金属株式会社の全従業員であり、2023年度においては全従業員675名中648名が回答(回答率:96.0%)しております。

(4)ワーク・エンゲージメントの把握

項目/年度 2020年度
実施結果
2021年度
実施結果
2022年度
実施結果
2023年度
実施結果
2030年度
目標数値
⑪ 新職業性ストレス簡易調査票
「ワーク・エンゲージメント」
2.2Pt 2.7Pt

※ワーク・エンゲイジメントは、「従業員が仕事から活力を得て、いきいきと働けているか」を示す指標(最高4.0Pt~最低1.0Pt)であり,健康経営の実質化に向けた取り組みの一環として、2023年度より導入しております。
※本項目の対象者は日本金属株式会社の全従業員であり、2023年度においては全従業員675名中648名が回答(回答率:96.0%)しております。

健康経営推進計画及び2020年度〜2023年度の取組み

当社では、「活力ある会社」の実現に向けて健康経営推進のための施策を計画的に展開しております(実施施策は下記表を参照)。中でも弊社は「喫煙率低下」「糖尿病予防」の2つの項目を最重要健康課題と位置付けており、2020年度~2023年度の取組みとあわせてご紹介いたします。

実施施策 内容 参加人数
ヘルスサポートセミナー
(2020~2023年度)
当社では毎年、従業員の健康課題解決に向けたセミナーを開催しており、これまでに「禁煙」「食と健康」「女性の健康」に関するセミナーを開催してきました。 延べ
121名
ストレスチェック
(2020~2023年度)
働くうえでの問題点を改善し、生産性の向上及び「活力ある会社」づくりにつなげるため、実施しております。 延べ
2,709名
保健指導
(2020~2023年度)
健康診断の結果を踏まえ、現状での問題点とそれに対応する具体的なアドバイスを基に、健康状態の改善を目指します。 延べ
433名
e-ラーニング
(2020~2023年度)
職員へのメンタルヘルス教育の一環として、e-ラーニングでの研修を推奨しております。 延べ
908名

1.喫煙率の低下 ※「KPI⑦参照」

(現状38.5%→2023年度目標値36.0%→2030年度最終目標値30.0%未満)

「健康スコアリングレポート」によると当社従業員の喫煙率は全国平均と比較して高い状態にあり(2021年度+11.8ポイント)、様々な健康問題を引き起こしていると考えられます。そこで継続した意識変容への働きかけとして、「喫煙による健康被害」をテーマとしたヘルスサポートセミナーの開催、並びに禁煙啓発ポスターの継続的掲示による情報提供を行うと共に、喫煙所使用ルールの厳格化や卒煙希望者への包括的なサポートの検討など、行動変容を促す施策を中長期的に計画しています。

「喫煙による健康被害」をテーマとしたセミナーでは、喫煙習慣のある従業員を対象とし、喫煙が人体に及ぼす影響と共に、禁煙のための具体的な方法を包括的に学びました。セミナー終了後アンケートでは、満足度として5段階中4.2を記録し、また、「すぐに卒煙を希望する者」及び「3年以内に卒煙を希望する者」は喫煙者の37%を占めることがわかりました。そのため、卒煙に向けたサポート施策を導入できるよう検討を進めてまいります。

また、当社は世界保健機関(WHO)が掲げる「世界禁煙デー」の取り組みに賛同しており、当社各拠点におけるリフレッシュスペース・食堂等にてポスターを掲示することで、従業員に向けて禁煙を促しています。

これらの施策により、当社従業員の喫煙率を2023年度は36%、2030年度には30%未満まで低下させることを目標としております。

(下写真:セミナーの模様)

2.糖尿病の高リスク者に対する重症化予防 ※「KPI⑥参照」

(現状57.4%→2023年度目標値50.0%→2030年度最終目標値40.0%未満)

「健康スコアリングレポート」によると当社従業員の血糖値は全国平均と比較して高い状態にあり、他の生活習慣病リスクと比較して抜きんでてリスクが高い状態となっております。そこで継続した意識変容への働きかけとして健康維持のための食事・運動についての正しい知識を学び、実践を通じてヘルスリテラシーを向上させるため、RIZAP株式会社監修の下「ヘルスサポートセミナー」を実施しました。参加者ごとに食生活を振り返り、そこで発見した課題に対する食事面及び運動面でのアプローチを学び、また、職場内でも気軽に実践できるストレッチと筋力トレーニングを体験しました。受講後のアンケートでは、セミナー参加者の90%以上が日々の健康管理に前向きな姿勢を示しました。
(下写真:セミナーの模様)

また、2022年度より一部事業所を対象に自動販売機と連動したスマートフォンアプリを導入。リマインダー機能を用いた健康行動の勧奨に加え、歩数計測機能を用いたウォーキングイベントを開催し、従業員の運動習慣定着を図りました。

3.仕事と治療の両立支援拡充

働きやすい職場づくりを目指し、一般社団法人がんと働く応援団様監修の下「がんと仕事の両立セミナー」を開催しました。本セミナーでは、日本人の約2人に1人が罹患すると言われている「がん」に対する基礎知識をはじめ、けがや病気に直面した際に取るべき行動を学びました。20代の若手から60代のベテランまで幅広い年齢層の従業員が参加し、その後のアンケートでは参加者の100%がセミナーに対する満足度を示しました。

健康経営推進による経年での効果(2023年9月現在)

当社では、2019年度より健康経営の推進を本格化させ、経営方針に掲げる「活力ある会社」を実現するにあたって、その基盤となる働く従業員の健康づくりに努めてきました。従業員が「いきいきと働く」ために、身体的な健康状態の改善を目的として、喫煙、食、運動など健康に直結するセミナーの開催や掲示板を通して役立つ情報提供を行うと共に、心理的な健康状態の改善を目的として、メンタルヘルスに特化したセミナーの開催やストレスチェックの有効活用を進めてまいりました。

その結果、当社従業員(40歳以上)の健康状態として、BMIの正常値(18.5~25)を記録した者の割合が、健康経営施策を開始した2019年度結果と最新の2022年度結果を比較して57.1%→60.9%と3.8ポイント良化し、健康課題の改善に寄与していることが確認されました。また、弊社のストレスチェックの総合健康リスクは2019年度と2023年度を比較して104pt→94ptと10ポイント良化すると共に、同様の比較で「活気」の項目ではストレス反応値が107pt→104ptと3ポイント良化し、心身の健康状態が改善され、経営方針に掲げる「活力ある会社」づくりの実現に近づいており、企業経営に寄与していることが確認されております。

日本金属の健康経営推進への評価

● 健康優良企業「銀の認定」

2019年9月に健康保険組合連合会東京連合会に「健康企業宣言」を行い、2020年8月に健康優良企業「銀の認定」を取得しました。(健銀第1206号)

健康優良企業

●「健康経営優良法人(大規模法人部門)」

2024年3月に経済産業省と日本健康会議が共同で顕彰する「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)」に4年連続で認定されました。

健康経営優良法人2024(大規模法人部門)

●「サントリーウェルネスオンライン」でご紹介いただきました

サントリーウェルネス株式会社様が運営している「サントリーウェルネスオンライン」にて、当社の健康経営の取り組みに関するインタビュー記事が掲載されました。記事は下記リンクよりご覧いただけます。
https://www.suntory-kenko.com/company/interview/0226.html

【参考資料】※下記データは2022年度の内容となります。

項目 当社の状況
平均勤続年数 16.6年
月平均所定外労働時間 9.8時間
平均有給休暇取得日数 10.5日
疾病による休職率 0.75%
傷病による欠勤率 0.20%
弊社健康経営施策に対する従業員の満足度 95.0%

※「疾病による休職率」:2022年度末時点における疾病による休職者数÷2022年度末時点における従業員等の人数
※「傷病による欠勤率」:2022年度における従業員の傷病による欠勤日数÷2022年度における従業員の所定労働日数の合計
※2023年9月現在において、当社では労働安全衛生マネジメントシステム(ISO45001等)の導入はございません。

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